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眼帯の野望〜蒼天録〜第1話
眼帯の野望〜蒼天録〜第2話
眼帯の野望〜蒼天録〜第3話
眼帯の野望〜蒼天録〜第4話
眼帯の野望〜蒼天録〜第5話
眼帯の野望〜蒼天録〜第6話
眼帯の野望〜蒼天録〜第7話
眼帯の野望〜蒼天録〜第8話
眼帯の野望〜蒼天録〜第9話

眼帯の野望〜蒼天録〜第7話



前回、陸遜にぼろぼろ、めちゃくちゃにされた張遼。
呂蒙のおかげで一命(?)をとりとめたのであった。


陸遜んんん・・・・絶対ゆるさん―――!!


陸遜に負わされた傷と、精神的ショックで歩けなくなった張遼を
呂蒙がかつぎ呂蒙の部屋へとひとまず退散。



「はぁ・・・ついたぞ」

「ああ」

「いいか?おろすぞ・・・」

「ああ」


・・・

「よし。ちょっとそこの寝台で休んでくれ、薬をとってくるから」

「ああ・・・済まない」


――ガチャ
呂蒙は出て行った。
張遼は言われたとおり寝台の上へ上がって寝っ転がった。


「はぁ・・・」

「ちきしょう・・・陸遜め・・・しかもなんだよ、
太史慈のヤツ・・・助けにもこねぇたぁ・・・」

(今どこにいるんだよ・・・太史慈ぃ・・・)


―――ガチャ

「さ、傷を見せてみな」


呂蒙は見かけによらず器用に傷を手当てしていく。

張遼は思わず見とれてしまった。

(呂蒙っていいヤツだな・・・)

「いて・・・」

「大の男が声出んじゃねぇよ、さ、できた!大丈夫かな?」

「ああ。・・・本当に済まない。恩にきる。」

「いいんだ、謝るのはこっちの方よ。
あんたみたいな人に失礼を働いたんだからな・・・」

「そういえば、陸遜は何処にいった?」

「あいつか?ああ・・・見当がつかないわけじゃないが・・・」

「いつか仕返しをしてやると言っておいてくれ!・・・ったく」

「ああ、わかった。だが、あまり相手にするなよ」

「・・・・・」

「そういえば張遼、どうしてこんな事になったんだ?」

「ああ・・・・」


張遼は今までのいきさつを張コウ抜きにして話した。


「なるほどな・・・しかしお主も・・・」

「馬鹿だって言いたいんだろ?
周泰のヤツにさんざん言われたぜ・・・俺も馬鹿だった」

「・・・それほどまでに、太史慈を想うか・・・?」

「あえ・・・?」

「あ、いや・・・じゃー、手紙もおそらく陸遜が周泰に書かせた物だな・・・」

「ああ、そうよ」

(コレで、あのふざけた手紙の意味がわかったよ・・・ちきしょう)


「ご立腹なのも分かるが、とりあえず、その傷を癒したまえ」

「ああ・・・・呂蒙殿?」

「なにかな?」

「太史慈は今・・・」

「ここにはいない。今、周郎と遠征中なのだ」

「そう・・・なんだ」

「それを知っててこの時期にあんな事をやったのだな、陸遜も・・・」

「あの・・・あと・・・陸遜は何でこんな事したんだろうな?」

「それは、よく分からんが、嫉妬もあるだろう」

「嫉妬ぉ?・・・そういえば陸遜に”あの人に言うぞ”って言ったら黙り込んだが・・・」

「ああ、それはな、孫策の事よ」

「なるほど、さすが天才軍師でもお義父様はダメか?」

「まぁ、そんなところよ・・・
あと、周泰も孫策には頭が上がらないどころか、敬愛している」

「へぇ・・・」

「策は不思議な魅力を持った男なのだ・・・
様々な人間が彼に惹きつけられる。事実、太史慈も例外ではない」

「え・・・太史慈・・・もか・・・・?」

「ああ、そうだ」

「す、好きなのか・・・・」

「ああ・・・」

「愛しているのか・・?」

「孫策の為なら命も投げ出すだろう。降ったときも、そう誓ったのだ・・・
太史慈の孫策に対する忠誠は実に強固だ。 さらに、特別な感情もあるだろう・・・」

「そか・・・」

「傷ついたか・・・?しかし・・・事実なのだ。太史慈は・・・」

「わかる・・・なんとなく。俺も、殿の事・・・好きだし。
仲間になったとき、これ以上ないほどの至福だった。
 この人の為なら何でもできると、心から思った・・・」

「そうか、やはり張遼・・・。太史慈が惚れたのも分かる気がする・・・」

「でも、太史慈も好きだ。太史慈を傷つける者は何人たりともゆるさん」

「太史慈も同じだと思う」


「・・・陸遜のこと、太史慈には言わないでくれないかな・・・」

「ああ、わかった」


「はぁっ・・・・」

張遼は目をつむって深いため息をつく。

「張遼殿、私もあなたには敬意を覚えまするよ・・・」

「太史慈、儂と、孫策・・・どちらをとるかなぁ。もし、儂をとらなかったら・・・」

「・・・どうしました?」

張遼は無意識のうちに涙を流していた。
呂蒙はそれに気づいて、指でそっとぬぐってやった。

「ふぁ・・っ。儂としたことが、泣くなど・・・」

「気にすることはありませんよ・・・」

「呂蒙殿・・・っ」


張遼は涙が止めどなく溢れてくるのを必死に隠そうとしている。
呂蒙はそれに気づいて張遼の手をそっと、握った。

「張遼殿、ゆっくりと静養なさってください・・・誰も、ここへは通さぬから」

立ち上がろうとするする呂蒙の手を張遼は強く握り替えした。

「張遼殿・・・」

「・・・ここへいてはくれまいか。今宵は一人では寂しすぎる・・・」

「・・・」

呂蒙は寝台に腰掛けると、横たわっている張遼を抱き起こし、抱きしめた。


「張遼殿・・・私にはお主を癒すことはできぬよ・・・」

「呂・・・」


張遼はまた涙を流し始めた。
呂蒙は張遼を抱きしめる傍ら、張遼に握り替えされた手をぎゅっと握り替えしてやった。





―続―